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海洋プラスチック問題とは?改善のためにできること

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海洋プラスチック問題とは?改善のためにできること
便利で使いやすく、今や日常生活で欠かせない素材になっているプラスチック。
日本ではゴミの分別が浸透して、リサイクルされているはずのプラスチックですが、世界規模で海洋汚染の原因と言われて問題になっています。
印刷製品にも関連しているので、いま世界の海では何が起きているのか、「海洋プラスチック問題」を調べてみました。

目次

海洋プラスチック問題とは?

環境省の報告では、2016年に行われた世界経済フォーラム(ダボス会議)において、

• 世界のプラスチックの生産量は1964年~2014年の50年で20倍以上に急増(1,500万→3億1,100万t)。今後20年間でさらに倍増する見込み。

• 毎年少なくとも800万t分のプラスチックが海に流出。(重量でジャンボ機5万機分)

• 海のプラスチックの量は、2050年までには魚の量を上回る計算。(重量ベース)

•プラスチック容器のリサイクル率は14%。

• プラスチックのリサイクルを促進し、海など自然界への流出を防ぐ対策の強化が急務。
と発表されたと問題提起しています。

プラスチックごみが魚の量を上回る計算とは、想像しただけでもゾッとします。
実際に、世界各地で砂浜に打ち上げられて死んだクジラの胃から、ビニール袋などのプラスチックごみが発見される例が報道され、クジラだけでなくウミガメやイルカ、その他の海の生物でも同様の報告があります。


また、これらのプラスチックごみが紫外線や海水にさらされて劣化すると「マイクロプラスチック」といわれる小さな破片になり、分解されず海中に漂い続けて、魚や貝などがエサと間違えて食べてしまう例も確認されています。

生態系にも影響することになり、その魚介類を私たちが摂取すると付着した有害物質やプラスチックそのものの添加物などで、私たちの健康にも悪影響を及ぼしかねないのです。

海洋プラスチック汚染の原因は?

プラスチックごみが海洋に?日本ではリサイクルとして再利用されているか焼却などの処理をしていると認識していたので、海洋汚染は海外の不法投棄などが原因なのかなと問題意識が低かったのですが、実は日本ではプラスチックの廃棄物の多くをリサイクルとして海外に輸出しているそうです。年間およそ150万トンも。

日本は1人当たりのプラスチック容器使用量が世界で2番目、また生産は世界第3位で、世界の海洋プラスチックごみ問題の一因だといわれています。

リサイクルの人件費が安く、処理基準の甘い海外への輸出先は主に中国などのアジア方面で、経済の成長と共にプラスチックごみが増加し、処理が追い付かずに業者が海や川への不法投棄をして環境問題になり、輸入規制も考えられています。
これにより今後の日本のプラスチック廃棄物の処理は難しくなり、持続可能な循環型社会の実現に向けて対応が急がれています。

国内でもレジ袋やペットボトル、パッケージなど、使い捨てにされるプラスチック容器がポイ捨てされたり、屋外に放置されると、雨や風によって河川から海に流れ出てしまいます。

環境省によるH28年に報告された環境汚染実態調査では
5年間(H.22-26)の総計で、漂着したごみの個数が最も多かったのは山口県下関市。50mの海岸線に、約47,000個漂着していて、プラスチック類が最も多く、ごみ全体の約8~9割を占めていたそうです。

全観測ポイントで漂着したペットボトルを製造国で分別すると、太平洋側では日本製のものが多く、東シナ海及び日本海側では中国・韓国製などが多かったと報告されています。

また、マイクロプラスチックの調査では、日本周辺海域(東アジア)で、北太平洋の16倍、 世界の海の27倍のマイクロプラスチック(個数)が存在したとのことで、私たちの身近な海域でプラスチックごみ汚染が深刻化していることに驚きました。

私たちの健康にも影響する!

海洋に漂うマイクロプラスチックは、プラスチックが劣化して出来た直径5ミリメートル以下のとても小さなプラスチックのごみです。ごみ以外にも洗顔料や歯磨き粉にスクラブ剤として広く使われている粒子もマイクロプラスチックで、排水溝等を通じて河川から海洋に流出していきます。

環境省が2014年に、東京海洋大学や九州大学の協力で、日本周辺のマイクロプラスチックを調べた報告によると、比較的大きなプラスチックごみが岸の近くに多かったのに対し、マイクロプラスチックが遠く沖合にまで広がっていたそうです。

軽いペットボトルなどが押し寄せる波によって海岸に打ち上げられ、紫外線や砂にもまれて劣化して砕けます。小さな破片になったプラスチックは、波をかぶって沖へと運ばれていき、分解されずに何十年から数百年もの間海洋に漂い続けることになるそうです。この小さなプラスチックは、プラスチックそのものの添加物のリスクもあり、他の有害物質も付着しやすいので、海の生き物がえさと間違えて食べてしまうと海の生態系への影響が心配されています。


このマイクロプラスチックの海洋汚染は広く外洋にも及んでいて、世界中の海の海洋生態系に取り込まれ、飲料水や食塩などに含まれている可能性も伝えられています。

マイクロプラスチックが、人を含む生物などにどのような影響を及ぼすのかは解明されていませんが、実際に魚や海鳥などの体内や人間の便からも見つかっていることから、食物連鎖で人間を含む多くの動物に悪影響を及ぼす恐れがあると懸念されています。 

いま私たちにできること

今やコンビニの普及もあり、国内の年間に消費されるレジ袋の枚数は推定400億枚、ペットボトルの国内年間出荷は227億本に達するそうです。便利が当たり前になっていますが、海洋プラスチック問題を改善するためには、一人ひとりが現状を知って問題意識を持ち、価値観を変えて生活することが大切だと痛感しました。

政府広報オンラインではプラスチックの3R、リデュース(減らす)・リユース(再利用)・リサイクル(再生産)を勧めています。プラスチックを有効に賢く利用することで、海洋プラスチック問題の改善に取り組むことができるのです。

一人ひとりが「脱プラスチック」を意識して生活に取り込めることは多くあります。

・日常にマイバッグ、マイボトル、マイ箸を持参して、プラスチック製スプーンやフォーク、ストローの使用を減らす。

・詰め替え用ボトルなど繰り返し使えるものを選んで、食品の保存はふた付き容器でラップの使用を減らす。

・海・川・山のレジャーではごみを持ち帰って、ごみは所定の場所・時間に、分別して出す。(汚れたままではなく洗浄が重要です)当たり前のことですが、ごみのポイ捨て、不法投棄はしない。

企業にも「脱プラスチック」の動きは進んでいて、スターバックスが、2020年までに世界中の全店舗で、プラスチック製の使い捨てストローを全廃すると発表し、マクドナルド、イケアなど他にも多くの企業が問題改善への取り組みを始めています。

その他ユニクロやH&Mでもショッピングバッグをプラスチック製から紙製に変更し有料化する方向ですが、有料化した中から海洋問題改善事業に寄付をする動きもあります。

世界中で、プラスチックレジ袋の有料化、ペットボトルの販売禁止、プラスチックストロー、カトラリーの禁止、もしくは紙や天然素材で代用するなどの動きが加速しています。イノベーションで新たな再利用のプランが生まれるかもしれません。

実は弊社でも、環境にやさしい・クリーンな次世代プリントを意識して「エコで清潔な紙製抗菌マスクケース」をご提案しています。
便利になれて当たり前になっているプラスチックに依存する生活が、じつは私たちの未来を脅かしている。これはプラスチック問題だけに限らないかもしれません。

地球にやさしい持続可能な社会を意識して、生活を見直すことが大切だと改めて学びました。


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